平成14年9月2日


材料不足


 週明け2日(月、2日新甫)の平均株価は9521円。
8月26日の先週月曜日に1万円台を回復したのも束の間、
5日連続下落で往って来いとなった。
NY市場が9000ドル台に乗せてから調整に入ったこともあるが
まったくの腰砕けの相場で逆三尊もだましで
再び9500円のボックスの下限に張りついている。

需給関係で見ると8月の3週(19−23)に
外国人が1132億円、
信託銀行955億円の大幅買い越しで
ヘッジファンドの買戻しや年金資金の買いがあったものの
委託合計1789億円の買いに対し自己の1734億円の売りは
数字的には裁定解消売りであったことになる。

トピックスと先物との順ザヤも解消し
元の逆ザヤになり裁定解消がでやすい下落相場になった。
金融機関の持ち合い解消売りも進まず、
明治生命、三菱信託と思われるETF組成に絡む
3000億円が重しとなっている模様であるから
組成に絡んだ大口の先物取引が相場の方向感を失わせている。

上げる材料があるとすれば中間決算の株価対策である。
あらかた巷間伝わっていることぐらいで新鮮味がない。
個人投資家の税制も複雑で投資家には何のメリットもない。
個人投資家の中には税務署、確定申告ときただけでアレルギーの人が多い。
金利はゼロ、株価も下落で塩漬けの投資家には踏んだり蹴ったり、
株式市場活性化とは「嘘」ばかりで
税制改革も経済活性化の改革からは遠いものである。

複雑な税制で混乱をさせているから投資家を市場から追い出してしまう、
今のままでは株価下落も先送りである。
9月危機を起こさせないとして、
一時の株価対策を実施しても
一過性の戻り相場で終わってしまう可能性が高く、

その後の10月以降に下落に駄目を押す時になって
ようやく対策がでるのではないかとしか見出せない。
下げるのを待って、
下げてから慌てて対策を出すのがいつものパターンである。

平均株価が9000円を割れて
8500円ぐらいになれば何らかの兆しがでるのだろうか。
2−3年株式売買を無税にして
個人投資家の参入を計れば
金融機関の株式放出の受け皿になれるが、
現在のデフレ政策を続ければ
平均株価はかなりの下値を想定せざるをえない。
長期で株をやるのはインフレの時代であって
デフレでは売りで資産をヘッジするか、
短期投資でないとリスクが高すぎる。
あてにならない絵に描いた期待は気体に過ぎないから
現実的には短期のデイトレ中心にいかないと利益が上がらない。

テクニカル的にも25日の移動平均線を一時超えたが
7月の上旬と同じようにだましになった。
大勢トレンドは下で、3月中旬の上値でしこった信用の期日が到来する。
トピックスが最近の安値930で2月6日の921ポイントに近づいてきた。
相場環境が悪いから出来高を伴って上昇した株でも長続きはしない。
日本ハム(2282)に続いてモンゴルODAでの賄賂の 物産(8031)
原発点検データ改ざんの 東電(9501)と「社会責任投資」が言われても
法令遵守で誠実な商売で業績を伸ばす企業は皆無に近い。
グローバル化とは言え
今まで表に出なかったことが簡単に表面化してしまうから
企業にとっても株主にとっても安心できない。
アルプス(6770) オリンパス(7733) ブラザー(6448)等の
業績修正された銘柄の動向を見守りたい。

材料待ち、きっかけを待っている相場である。
米国市場等からの材料待ちで
買い方もリスクが高く腰が引けてしまう相場であり
「機を待つは仁なり」である。
短期売買は目先、
急騰した株を売り反落したところで買い戻せる相場である。





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