平成14年7月15日
主力不振 |
先週の平均株価は10601円、前週比225円安でNY市場の影響を受け下落した。
5月27日の高値12081円から2021円下げたが
7月8日11050円の高値で990円戻し
ほぼ半分を戻したがそれが戻りの高値となり
現在は11000円が壁となっている。
中低位株の戻りが良いが
主力ハイテクの多くが下降トレンドで悪いからである。
需給関係で見ると今年は個人投資家が12年ぶりの買い越し?と見られるが、
多くは逆張り投資であり
戻ったらすかさず売りと機敏であるが
ここ3週は小幅の売り超しの模様である。
事業法人の売りが止まり銀行、
生保の売りを年金資金と自社株買いが支えている。
外国人の動向は下がれば売り越し
上がれば買い越しとトレンドに沿った売買である。
信用買いがハイテク中心に増えて買残高は1兆5246億円、
評価損率は10.6%(15日現在推定)
裁定買い残は1兆1562億円で6月28日からの戻りで2000億円増加した。
5月の高値から2000円の下げの主因は
海外市場連動の下げからで8600億円
(5月24日1兆8220億円裁定買い残6月28日には9554億円に減少)
の裁定解消売りであった。
米国の株価はナスダックがITバブルではじけたが
NYダウ(0800)も月足で見ると「ナイアガラの滝」のように見える。
個人投資家の資金が株式市場から逃げているのは確かである。
これほど次々に会計疑惑が露呈するから投資家は安心して投資できない。
日本の場合も隠し不良債権、有利子負債が多くて
一株株主資本(BPS)に信頼が置けないでいたのと似ている。
数字が信頼できないから戻れば売りとなり
以前のような大きな上昇は期待できず
資産の目減りは個人消費に影響してくるのは日本の例でも明らかである。
国際優良株は米国に連動しているから冴えない。
景気の影響だけでなく為替の影響も無視できないから
平均株価が戻っても主力ハイテクは鈍い、
9月に減額の修正がありえても130円前提のV字型の回復に疑問が付きまとう。
為替の介入がないと反転しないから政府の介入待ちになっているが
大幅に円高が進んだところでの介入でないと効果が薄い。
日銀が介入するのを買い方は期待するが円高の進行で
株価はずるずると下がり持ち株は売るに売れない状態になっている。
NYの反騰と円安に振れれば主力株は急騰するだろうが
多くのトレンドは5、13、26週移動平均線は下降で
信用買い残が増えて悪化している
トヨタ7203、日産7201、日立6501、NEC6701、富士通6702
ニコン7731、アドバンテスト6857、任天堂7974等は
悪抜け感がなく底値はまだ先だろう。
あのグリーンスパンが
「根拠なき熱狂」と議会で証言していた時の株価は6200ドルである。
クリントンの後、誰が大統領になっても同じ結果を招いていた筈である。
だからブッシュは景気浮揚を軍事に目を向けたのであろう。
そのブッシュが12年前ハーケン・エナジーの取締役を務めていた当時、
ハーケンが巨額損失を発表する2ヶ月前に
内部情報に基づき大量の持ち株を売り抜けていたことが明らかにされた。
エンロンから見事なくらい米国の恥部が露呈され
威信が低下したから逃げたマネーはすぐに戻れないだろうし、
テロ再発の懸念も抱えてのバブルの後遺症は時間のかかる問題である。
株式市場は
小型株、材料仕手株、好取組銘柄、出遅れ割安銘柄が逆行高をしているが
幕間つなぎの銘柄でテーマにはなりえないから迫力がない個別株物色である。
主力の通信関連も含め展望が開けないからトピックスの動きも冴えない。
景気循環も米国次第で短期にもなってしまう。
環境的にはゾーンの動きだが
米国の動向を見ながらの動きにならざるを得ない。
米国離れをするほど体力が伴っていない。
主力株が好転するのを待つ、
その間は上記の株で乗り降りの相場にならざるをえないだろう。
テクニカル的に25日と75日のデッドクロス(6月21日)に続き
25日と200日の移動平均線がデッドクロス(7.11)をした
3月から5月での高値銘柄はしこっているものが多いので、
まだ信用期日まで早いが投げ売りが出ることも想定しておく必要がある。
相場環境の悪い時はせいでも仕方がない、慎重に対処したい。
ゾーンの動きであれば上出来であるが波乱もありうる。
買い方には追証の不安が付きまとっている。
投げの出たところを待ちたい。
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