平成14年7月1日


日柄修復


先週の平均株価は10621円前週比+267円の反発で
4週連続安に終止符を打った。
6・26の引け際(14:55)には
10060円の安値をつけかろうじて大台を守った。

5月27日の今年の高値12081円から2021円安は16.7%安、
日柄では23日間の調整。
月末特有のドレッシンッグ買いで週末は上昇した一面もあった。

米国市場はワールドコムの粉飾問題による影響で
世界市場が下落連動している、
エンロンから続く一連の会計疑惑は根の深い問題である。
多くの市場はネットバブルの影響を受けて
下降トレンドになっているから
米国市場が好転しない限り単独で動ける環境になりにくく
米国の影響が多き過ぎるのである。

テクニカル的には戻りだが
先ずは200日移動平均線の10730円を一挙に取れるかであり
11000円で戻り売りがでる抵抗帯である。
週半ばには信用取引の評価損率は
14%前後まで(信用取引で買い残が最大の松井証券)拡大し
追証の出る水準に達した。

上昇相場では3月、5月に売り方は踏み上げ相場に突入で苦杯をなめた。
今度は買い方に波乱が生じて
手仕舞って投げた向きもあった。
200日移動平均線が上向き大勢波動は上昇であったから
買い方は強気で業績もV字型回復、
景気指標も力強さに欠けるが底打ち、
横ばいであり投資環境は悪くはなかった。
外国人買いもあり需給関係より
外部要因による米国の影響を大きく受け
また急激な円高が拍車をかけた。

信用取引の高値買いでしこった株がほぐれるまでには
時間的にも日柄を要することになる。
要するに負ける人が圧倒的に多い
油断大敵とわかっていても
買い持ちを長引かせてしまうものが信用取引である。

6月の一方通行の下げは裁定買い残の先物との値幅逆転、
縮小による解消売りペースで進んだ、
裁定買い残(5月24日の1兆8220億円が6月21日には1兆915億円)の減少になっている。
また信用取引の売り残が減少したのは下げ相場で買戻しによるもの。
買い残の増加はハイテク中心の落ち目買いによるものである。
よい押し目買いと思ったら多くは落ち目買いになるケースが多いものである。

信用取引の取組が悪化し
買い方はしこったことは事実である。
もちろん現物買いもそうである。
信用は戻りで売ることが定石である。
戻りを形成しているところで悪材料が出ると
損金が拡大する懸念が大である。
急激に円安に触れ130円台に戻り、
相場全体が修復されるシナリオが描けない。
戻りで動きのよいものに惑わされてはいけない。

個別物色買いの勢いは市場に残っているが、
それは押しの浅い銘柄であり深押しのなかった株である。
これから短期でするのならわかるが
手持ち株を整理しないで間口を広げるのは得策ではない。
株価支援の政策が小泉内閣にはないことだけは確かである。
「痛み」を伴うと忠告した通りであるから
親切で誠実でもあったのである。

目先は下値固めの展開で戻りを試す相場である。
高値で利食った資金で個人投資家が買っている
どこまで続くか注目される。




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