平成14年6月10日


循環相場


先週の平均株価は11438円で前週比325円安、
ハイテク株が軟調で大幅下落になった。
下げた要因の一部は米国市場が下落した影響が大きい。

5.27の12081円が目先ザラ場高値(月曜日)で
決算の発表がほぼ終えたところである。
外国人が5月の第4週(5.27‐31)に
3966億円と大幅の買い越しであり、
3月の第1週(7707億円)に次ぐ、
いずれも高値は国内勢が売り越し、外国人の買いが際立つ。
これでは相場持続に限界が生じるのは至極当然である。
相場は内需株が健闘しているものの
ハイテク銘柄が海外市場に連動して大幅下落であれば指数は伸びない。

ワールドカップが始まった31日の直前の27日がピークで
ひとまず手をすかしたのは株価が
高値圏にある大幅に上昇している中低位株中心に利益確定の売りである。
買い方は空売り筋、
海外ヘッジファンドの買戻しが主体で大幅の損失である。
ワールドカップ開催国の株価が経済効果で上昇し、
カップ後に下落した海外のケースが報道されては
ある程度投資家も意識せざるをえない。

米国市場の下落を写して活力のない相場が続いているが
ハイテク売りの内需買いの2極化相場であり
機関投資家は銘柄を乗り換えているから
IT相場の時と反対である。
6月6日の日経新聞の株式欄「まちかど」に100円割れ銘柄に妙味?
メリルリンチ日本証券が
100円を下回る銘柄で構成する新しい株価指数を開発した。
過去の値動きから
「100円を下回った後は急落より急反発する確率が高い」と分析し
100円割れの複数銘柄のまとめ買いを提案している。
同指数は相場の上昇局面で急騰する傾向がある。

2001年には年初からピークの5月1日までの上昇率が77%に達した。
同期間の日経平均の上昇率は4.6%だった。
今年は4月までの上昇率が18%と
平均株価の9%を上回っている。・・・とある。
低位株の投資効率が良いということである。

市場はあたかもワールドカップ休戦相場となっている。
高値は開始の日柄とほぼ一致し
サッカーが終わる下旬頃まで調整局面か。
一方米国はかっての日本株ように
エンロン等の会計疑惑やテロの懸念、
アナリストの不信等々、長期トレンドが下落すれば
どこからとなく悪材料が湧き出す、
上昇時の「根拠ない熱狂相場」とは逆になっている。
株価下落の損は誰かが被るわけだから自然の原理でもある。

テクニカル的には先週は中低位の中には
週末の下落で上ひげをつけたものが多く見られた、
信用の踏み上げが中心で新高値銘柄数も減少して落ち着き、
騰落レシオも下落傾向である。
信用の評価損率も3%以内になって警戒ゾーンを示した。
上値は重く相場は一巡し業績の回復も織り込んだようだ。

サッカーの決勝(30日)が終われば今度は市場に目が移るが、
6月26、27日はカナダのサミットであるが
政策的には作文で期待はできないと読む。
国会も迷走し小泉内閣の人気が醒め1年前とは逆転し弱体化している。
市場は逆張りの往来相場の色彩が一段と増してきた。
日柄と押し、海外情勢を見ながらの慎重な売買が必要になってきた。




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