平成14年5月27日


新値続出


先週の平均株価は前週比129円高の11976円で
12000円の大台を目前にしてもたついている。

3月11日、ザラ場高値の12034円に対して
金曜日は12023円までの高値挑戦だったが、
旧平均株価(0005)、トピックス、日経300、500種、時価総額等の
ほとんど指数は高値追いをしている。
この原動力は3月の第1週に7707億円と
大幅に買い越した外国人によるものであり、
5月3週(13−17)も3222億円、
第4週(20−24)も大幅買い越しが続いた。
それより意外だったのは
国内信託銀行の売りが1904億円と
公的資金の売り越しが目立ったことで
利益確定売りによるもので個人投資家も売り越した。

外国人買いの背景は米国系が主流で
景気底入れ宣言があったこと、
米国市場が景気回復、エンロン、アナリストの不信等がもやもやし、
チェニー副大統領のテロの恐れもありとの報道を受けて
イラク攻撃へのXディーも近いとの読みから
ドル預金の凍結を想定した中東ダラーの資金が
ユーローや円等に流れたことが日本株買いへの背景と思われる。
円高、株高がドル建て平均株価の上昇を招き、
上がるからまた買いを呼ぶ図式になった。

トピックス型のNTT(9432)、野村證券(8604)三井住友銀行(8318)の金融株、
セブンイレブン(8183)イトーヨーカ(8264)の消費関連株が大きく値を上げた。
平均株価は珍しく米国離れを起こして
最も勢いを増している市場になっている
反面ナスダック市場の動きが悪い、
長短の平均移動平均線が下降トレンドであり、

ITバブルの後遺症が深く生産稼働率も60%割れで
設備投資が沸かないことが尾を引いている。
アドバンテスト(6857)パイオニア(6773)が逆に軟調である。
NEC(6701)富士通(6702)が重く3月の上昇一波と趣を異にしている。

景気底入れはアジアへの輸出が好調で
6月7日発表の1-3月のGDPが
年率で8%前後の高い伸びになるとの観測が浮上し、
今週発表の鉱工業生産指数も底入れを示すものであるとの予想である。

本日27日平均株価は一挙に12000円を走りだしたが
未だ値固めが必要である。
決算予想が景気回復のシナリオにのって
今まで売られに売られた中低株の戻りの勢いが目立つ。
リストラ効果もでて今期の決算予想もよく
株価は素直に上昇しているが
新高値銘柄も連日100以上超えて
(23日242、27日232銘柄)
やや過熱気味を呈している。

銘柄の主流は中低位、および材料株、景気敏感株で
昨年89年からの12年下降して歴史的安値をつけた銘柄が
12月の安値から6ヶ月に向かって踏み上げ相場に発展している。
JUKI(6440)ミノルタ(7753)住友重機(6302)津田駒(6217)等々
12月19日頃に安値をつけた銘柄が
すでに総踏み上げの仕上げを暗示している。

ネガサ、半導体関連はしばらくナスダックの軟調、不透明もあって
ここは見送り業績の良いものにつくのが自然である。
ティアック(6803) 日ケミファ(4539) 名村造船(7014)
業績の予想の発表を契機にストップ高しその後も順調である。
久しぶりにみる中低位株の復権相場である。
押しがあっても循環相場が続く。




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