相場格言
「牛を馬に乗り換える」

日経平均・TOPIXともに11月13日に直近の安値をつけ、
その後11月19日に至るまで5営業日の連騰を見せました。
これで再び上昇基調に乗ったものと
確信している方も決して少なくないと思いますが、
その実どうでしょうか?



先日、政府は11月の月例経済報告で景気の現況を
引き続き悪化」から「一段と悪化」へと引き下げました。
失業率は過去最悪の5.3%を記録、
鉱工業生産指数も前年同月比マイナス12.7%
景気指標も目を覆いたくなるような数値。
さらには2001年度の経済成長見通しは当初の1.7%から
戦後最低となるマイナス0.9%へ下方修正
次いで名目成長率も1.0%からマイナス2.3%へ大幅修正
と事態は益々厳しさを増してきています。
年末商戦への期待、
アフガン問題の早期解決による米国景気回復への期待
などいくつか要因はあるものの
小泉内閣自体に特に目新しい政策対応がない現状では
これ以上の上昇は非常に厳しいように思えます

実際ここ1週間の東証一部銘柄の
値上がり率上位50位を眺めてみますと、
うち20銘柄が日経225採用銘柄ですし、
そのほとんどが
富士通、松下、ソニー、ミツミ、アルプス、
ファナック、ドコモ、東京エレクトロン
のような情報通信・ハイテク銘柄に偏ってきます。
つまりこれらが牽引役として日経平均自体を底上げしているに過ぎず、
事実11月13日〜19日の期間中、
東証一部値上がり銘柄数が値下がり数を上回ったのは11月15日だけ、
ということからも実に希薄な上昇基調であることが
お分かりいただけるかと思います。

そうは言うものの、
やはりいい値動きをしている銘柄というものは輝いて見えるもの。
すぐにでも飛びつきたくなるのも頷ける話ではありますが…
そこで今回は「牛を馬に乗り換える」という格言。
急騰の期待できる銘柄を見つけたら、
手持ちの銘柄を投げてでもそちらを買うべき

という意味なのですが、
これではあまりにも向こう見ず且つお粗末です。
乗り換えたはいいが、結果的には
乗り換えない方がよかった
(=馬から牛に乗り換える)」
では泣くに泣けない状況になってしまいます。
やはり闇雲に飛びつくのではなく、
まず冷静に相場全体を見渡して、
どのセクターが買われているのか、
もしくは売られているのかを掴み、
その後個別に銘柄を物色してみるべきだと思いますが、
いかがでしょう?



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